「美容院を開業したい」
「開業前に経営者に必要な知識を身に付けたい」
美容師として現場で経験を積んだ人の中には、自分で美容室を開業して“経営者”として、美容に携わりたいと考える人もいるでしょう。
とはいえ、美容院の開業は今すぐに始められるものではありません。
店舗のデザイン、資金調達、開業手続きなど、店舗のオープン前にすべきことはたくさんあります。
「まず何から始めればいいのかわからない」という人は、まず予備知識を身に付けるところからスタートしてみましょう。
今回は、美容院を開業するときの流れや、美容院の開業に必要なものなどを解説します。
美容院の開業前に読んでおくべき本も紹介するので、独立を考えている美容師さんはぜひチェックしてみてください。
この記事はこんな方におすすめです!
- 美容院を開業したい人
- 開業前に知識を身に付けたい人
- 美容院開業に役立つ本を購入したい人
美容室を開業するときの流れ
美容室を開業するときの流れは、以下の通りです。
- 開業のスケジュールを立てる
- コンセプトの立案
- 事業計画の作成
- 物件の探し・申し込み
- 資金調達
- 店舗着工
- 従業員の募集・採用
- 開業手続き
- 集客活動
- 店舗オープン
大まかな流れは【計画】→【資金調達】→【店舗着工】→【開業】です。
開業する際は、まず「開業したい日はいつなのか」「どのぐらいの規模の店舗を建てるのか」「現在の資金はいくらなのか」といった内容をまとめてスケジュール(計画)を立てると、その後がスムーズに進められます。
開業の計画だけでなく、「事業計画」も必要なので、わからない場合は税理士などの専門家に相談してみましょう。
店舗用物件を選ぶときは、立地のほか、客層、美容室の需要、ライバル店舗の有無なども確認して申し込むのがポイントです。
オープン前には、Twitter・Facebook・InstagramなどのSNSやブログ、チラシやWeb広告などで集客活動をおこなって、店舗の認知度をアップさせることも大切です。
美容室の開業に必要なもの
美容室の開業に必要なものは、たくさんありますが、特に押さえるべきポイントは「資金・資産」「届出・手続き」です。
具体的な費用や、手続き内容をチェックしていきましょう。
資金・資産
美容室を1から建てる場合は、当然お金が必要になります。
美容室開業に必要な費用は大きく分けて「物件の取得費用」「美容室運営資金」の2つです。
物件の取得費用とは、名前の通り美容室として使う物件にかかる費用です。
費用相場は、家賃の12カ月分にあたる200〜300万円程度と言われています。
美容室運営資金は、人件費や光熱費、賃料などを含めたものです。
固定費の6カ月分にあたる700〜900万円程度が、一般的な費用相場です。
届出・手続き
美容室開業の際は、開業届のほかにも、店舗を経営する上でさまざまな届出や手続きが必要です。
- 開業届…個人事業主の場合は税務署にて手続き
- 美容室開業届…保健所にて手続き
- 防火対象物工事等計画届出書…消防署にて手続き
- 健康保険・厚生年金…従業員を雇う場合は年金事務所にて手続き
- 雇用保険…従業員を雇う場合はハローワークにて手続き
- 労災保険…従業員を雇う場合は労働基準監督署にて手続き
起業する場合は、いかなるときも「開業届」が必要です。
ただ、美容室を開業する場合は、税務署用の開業届とは別に、「美容室開業届」を保健所に提出しなければなりません。
また、開業にあたって内外装の工事を行う場合は、着工7日前までに消防署へ「防火対象物工事等計画届出書」を届ける必要があります。
そのほか、従業員を雇う際は、健康保険・厚生年金・労災保険などの各種手続きが発生するので、「1人経営なのか」「誰かを雇うのか」を決めてから、必要な届け出を整理するのがポイントです。
美容院の開業前に読んでおくべき本5選
美容院の開業前に読んでおくべき本を5冊ピックアップしてみました。
開業について詳しく書かれている本から、経営術や心得が書いてある本まで、幅広い本を集めているので、「自分が今知りたい情報」に合った本を選んで読んでみてくださいね。
①最新 失敗しない美容室開業BOOK
事業計画書や店舗コンセプトの作り方などをていねいに解説した本です。
最新版では、旧版では取り扱っていない「SNSによるPRで集客につなげる方法」をはじめ、最新の効果的な販促ツールについて紹介しています。
顧客のニーズに合わせたサロンコンセプトを実現させた、開業の成功例をたくさん掲載しているのもポイントです。
そのほか、「スタッフ採用のポイント」「開業手続きと美容院の運営管理」など、実践的な内容が盛りだくさんです。
②美容室開業の教科書: 開業とお金の不安がなくなる
なかしま税務労務事務所代表による、美容室の開業資金の調達の解決方法と、補助金・助成金に焦点をあてた一冊。
美容室開業予定者と創業後から間もない経営者に向けに書いた美容室開業マニュアルです。
創業融資と補助金・助成金活用のモデルケースを取り上げています。
第1章では「成功する美容室を作るために知っておくべきこと」、第2章では「美容室開業で使える創業融資」を解説。
後半は「スタッフを雇ったときにすること」をはじめ、「美容室の開業にやってはいけないQ&A」などを紹介しています。
③ゼロから開業して1億円を目指す 美容室経営術
税理士・美容室経営コーチらによる、美容経営術が学べる本です。
美容院を軌道に乗せるために必要なことから、将来を見据えた多店舗展開まで、新規出店から多店舗展開に至るノウハウが書かれています。
「起業の心構え」「成功には法則」といった、開業の序盤の段階で役立つ基礎情報のほか、コンセプトづくりや集客方法など、かなり具体的な内容も満載。
第3章の「多店舗展開で一億円突破への道」では経営戦略と人材教育編を、第4章では節税方法などを詳しく解説しているので、開業にまつわる内容をまんべんなく、そして深く知りたい人におすすめです。
④美容室が10年後も変わらずに運営できているかはすべて開業時に決まる!
美容室開業を目指す美容師のために、最低限必要な知識収集、開業への考え方を見直す機会にしてもらうことを目的とした一冊。
美容院開業にあたっての「動機や目的」「ターゲット層」のほか、物件探しの失敗パターンも記載してあります。
具体的な開業の流れ(プロセス)、開業1年目のポイント、著者の失敗した過去…などなど、内容も盛りだくさんです。
独立開業で大きな失敗を避けるための「情報収集」として役立つでしょう。
Kindle版なら無料で読めます!
※楽天での販売なし
⑤決定版美容室の開業―3575軒の開業支援から導き出した店づくりの考え方
サポートしたサロンの廃業率が3%と極めて低い、理美容機器・商材の総合メーカー「タカラベルモント株式会社」の開業支援チームによるノウハウ本。
3575軒の開業支援から導き出した、店づくりのノウハウを集約しています。
「顧客とスタッフに支持される店づくり」や「スタッフの成長を促すサロンマネジメント」など、経営者として身に付けておきたい内容がぎっしりと詰まっています。
もちろん、税務と財務の基礎知識や、事業計画書の書き方など、初心者向けの内容にも触れているので、独立を控えた方、いつかは開業したい方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は、美容室を開業するときの流れや、美容室の開業に必要なもの、美容院の開業前に読んでおくべき本を紹介しました。
①失敗しない美容室開業BOOK
②美容室開業の教科書
③ゼロから開業して1億円を目指す 美容室経営術
④美容室が10年後も変わらずに運営できているかはすべて開業時に決まる!
⑤決定版美容室の開業―3575軒の開業支援から導き出した店づくりの考え方
「備えあれば憂いない」という言葉があるように、開業前に知識やノウハウ、経営者としての心構えを身に付けておけば、焦らずスムーズに開業できるでしょう。
今回紹介した本を参考にして、まずは情報収集からはじめてみてくださいね。